小平市議会:市長は条例案に「不適当」と意見

小平市の小林正則市長は、今日、住民投票条例案を議会に提出しました。

小林市長は、328号線の見直しの是非について、小平市で住民投票を行うことは「東京都の広域的な視点での道路整備事業に支障を来しかねないことから」、本案は適当ではないと意見を述べました。

市長は、住民投票を実現することは、東京都の道路整備に支障を来しかねない、小平市長選に新市長が誕生した場合にその行為を制約する可能性もあるため、この条例案は適当でないと述べて、意見を締めくくりました。

聞きたかったのは、市民参加をうたっている地元自治体の首長の意見だったのですが、東京都の担当課職員の答弁を聞かされているようでした。

小林市長は、最初に、一般論として、「地方自治法に基づく直接請求は、市民の権利として尊重することが望ましいものであると認識している」、住民投票は「間接民主制を補完するものとして、市民の生活に重大な影響を及ぼすような個別の事案について、民意を問う手段としての有用性は認めている」と述べましたが、この条例案が「市民の生活に重大な影響を及ぼすような個別の事案」に当てはまらない理由については、述べませんでした。小平市に住む人たちのこの間の自治意識の高まりについては、全く言及がありませんでした。

小林市長は、条例案を不適当とする4つの理由として以下のように述べましたが、ぜひ、多くの方に、6日の請求代表者の意見陳述を聞いていただきたいと思います。

①東京都が広域的な骨格幹線道路としての道路ネットワークの整備に責任を持って判断すべき「計画の一部である小平市のみが本都市計画の見直しについて住民投票に付すのは適当ではない」。

②東京都は多摩地域における都市計画道路の整備方針(第三次事業化計画)に基づき、着実な道路ネットワークの形成を目指している。

第三次事業化計画で必要性が確認されており、完成区間と事業中区間が合わせて全延長の約7割に達している。「道路ネットワークの形成が図られ、都市間の連携の強化や多摩地域の活性化、府中街道を初めとする周辺道路の渋滞緩和や、地域の防災性や安全性の向上等の整備効果が期待される中で、東京都として早期の整備が望まれている」「その一部を担う小平市が東京都の全体計画の道路網整備に対して抜本的に言及することは適当ではない」

③法令に基づき手続が完了している

既に東京都においては、昨年末に都市計画決定及び告示している。「都市計画の見直しは、都市計画決定者である東京都が適切に市民の意見を聴きながら進めており、また、小平市都市計画審議会の答申を得て、市として既に意見も伝えている」「東京都が本年夏頃からの事業着手を明言した現時点において、改めて計画の見直しの必要性を問うことは、法令に基づいた手続が完了している現状で、市が行うことは適当ではない」

④投票結果に法的拘束力がない

住民投票の結果、どちらが多数になったとしても、3・2・8号線は、東京都が都市計画決定し施行する路線であるため、決定権は東京都にあり、市にはその決定権がない。「本都市計画に対して法的拘束力のない住民投票を、本事業の施行者ではない市が実施することは適当ではない」