小平市都市計画マスタープラン【中間まとめ】を読む(その4) 小平3・3・3号線により消失してしまう商店街と小平市の果たすべき役割

小平市の都市計画マスタープラン全体構想特別委員会の小平3・3・3号線について

小平市は、H28年1月28日に行われた小平市都市計画マスタープラン全体構想特別委員会で、都市計画部長が小平3・3・3号線に対して以下の説明をしている。

“その中で小平3・3・3号線(新五日市街道)は、多摩地域の東西交通円滑化に資する骨格幹線道路の一つであるためということでうたってございますから、これは東京都が施行主体となっていきますので、市としてはその整備を見守っていくことになります。
小平市はどういう立場でいるかというと、道路をつくるのはもちろん東京都でございます。これは地域をまたぐ大きな幹線道路ですから、市が必要性云々を言う立場には多分ないのだと思いますが、道路ができたときの周辺の町をどうするか、それはまさに小平市の問題でございますので、地域をどうつくっていくか、具体でいいますと、今、商店街をちょうどまたぐような部分がございます。そこがなくなったときに、周辺の商店をどのように再整備するのか、しないのか。実際には住宅が張りついていますから、急に住宅を除いて商店を建てるのは難しい面もありますが、そこは地域に入っていって、いろんな声を聞いて、まちづくりをしっかり進めていきたいと考えてございます。”

この姿勢は、前回のブログで紹介した多摩の近隣他市の取り組みと比較すると、手抜きと言われても仕方ないだろう。守るべき小平市の環境や、影響を受ける小平市民から目を背けている。第四次事業化計画でも小平市は小平3・3・3について東京都に対して何も意見をしていないことを小平市3・3・3について文書質問書及び回答書で明らかにしている。この小平市の姿勢が、そもそも疑問だ。しかし、都市計画部長が、小平市の最長の商店街で800m以上が東西に続く鈴天通り商店街と、光が丘商店街についても約8割が、予定地にあたることを認識して、再整備について市議会で言及しているので望みがある。まちづくりカフェの第7回の街歩きでは予定地は歩いていない。参加者を刺激したくなかったのだろう。しかしその態度は間違っている。商店街が消失してしまうことについて、委員会の中で市議に説明したように、市民にも共有して都市計画マスタープランの中で共有すべきだ。歩いて回れる貴重な商店街、小平3・3・3号線の整備が進んだ後は、全く違う姿に変わるのだ。整備後のまちづくりのあり方について、都市計画マスタープランで住民の意見を聞いて、どう整備していくのかの方針について地域別構想に記載すべきだ。

07_光が丘商店街北側

写真右側(北側)が予定地。鈴天通りと光が丘商店街併せて800m程度続く、個人商店街の通り。

見直し検討委員会の議論から、道路整備率について

さて、見直し検討委員会での都市計画道路の議論を見る。見直し検討委員会の第5回の会議要録で議論があった。P13から委員Dの意見を抜粋する。

“都市計画道路の整備状況に関して「多摩地域の都市計画道路の整備は 60%程度進んでいますが、本市の都市計画道路の整備は40%弱にとどまり、 道路整備の必要性は依然として高い」というロジックには違和感がありま す。計画が立っているから、周りのエリアに追いつかなければならないと言っているのか、市民の要望が高いという事実があるのか、その点がよく分か りません。 これまでの話からすると、市民から「交通渋滞が酷いから道路を整備して ほしい」という要望はあまり聞こえていないような印象があります。上の「小平市の望ましいまちの姿について」というグラフでは「道路や公共交通 が整備され」という評価があり、加えて「歩行者や自転車の交通にもやさし い」という評価は私も同意するところです。つまり、そこではなくて、40% の達成率だからさらに達成率を上げるという考え方には違和感があります。”

50年前の計画決定に対する整備率が低いから整備が必要といういうロジックを否定しており、官僚的な発想に釘を刺している。松本委員長の御意見は、以下の通り。

“希望的に言うと、周辺の方々を含めて、どのようなつくり方をするのか等 をきちんと詰めた上で計画をつくっていくような、「市民に喜ばれるものとして整備する」という意思が計画に反映されなければならないと思います。 この文章は、東京都が決めたからつくるという前提で、40%の達成率では少ないので60%まで努力するというようにも受け取れるので、そうではなくて、「これからは周辺環境も含めて良いものにしていくという趣旨で、ネッ トワークも良くなるし、市民にとっても良いものになる」という観点から取り組んでいく、そういう整備における市民協働の環境整備を目指すと書かれ た方が良いと思います。”

ところが、公開された中間まとめのP18には、他市と比べて整備率が低いから整備することに拘っていることがわかる。どうしてもこれを書かないと気が済まないのだろうか、もう少し見直し検討委員会の意見を受け容れるべきだ。

“幹線道路の整備は、渋滞の解消だけでなく、歩道、自転車道、沿道の植樹による緑の確保、 延焼遮断帯としての防災性の向上、沿道を活用したにぎわいを醸成するなど、多くの効果をもたらします。本市の都市計画道路の整備率は40%弱にとどまり、多摩地域の都市計画道路の整備率が 60%程度まで進んでいることからも、歩車道が分離されている道路ネットワークの拡充は、まちづくりにとって重要なものとなっています。”

下図は、「東京における都市計画道路の整備方針(第四次事業化計画)」の第1章P10に記載がある。国分寺は22%、東村山は19%、東大和市は67%、国立は39%、小金井は45%、東久留米が57%。小平市は他市と比べて特別に道路事情は悪いだろうか。では、22%の国分寺は、市民は道路が悪く住みづらい、移動しづらくてどうしようもないのだろうか? 小平市より大きく劣るのだろうか? 50年以上前の計画に対する整備率にこだわるのはナンセンスだ。

多摩地区の整備率

都市計画道路の整備率について取り上げてみたが、学識経験者や市民からなる見直し検討委員会と行政の間にも大きな溝があることがわかる。しかし、見直し検討委員会の皆様にはぜひとも粘り強く、小平市に働きかけて頂きたい。

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小平市都市計画マスタープラン中間まとめを読む(その5) 無作為抽出アンケートの道路についての意見

以上(神尾 直志)