1. 2013年5月26日に行われた「東京都の小平都市計画道路3・2・8号府中所沢線計画について住民の意思を問う住民投票」は、投票率50%の成立要件に届かず不成立とされたものの、51,010人の市民が投票に臨みました。
私たちは、「市民は投票内容を知る権利がある」と主張し、現在法廷で、投票用紙の開示を求めて争っています。投票用紙は開示するべきと思いますか?
1.開示するべき。
2.開示するべきではない。
○宇都宮けんじ氏
どちらとも言えない
ご意見
住民投票の結果は、住民の意思を示すものとして、当然のことながら、開示することが望ましいと考えています。しかし、本件については、下記の3点の理由から、「どちらともいえない」と考えます。
1.日本における住民投票は、個々の課題ごとに実施方法や拘束力が条例によって定められている点、2.本件は現在司法の場で争われている点、3.小平市における自治(このばあい「団体自治」)の観点からも、東京都知事候補が口をはさむには慎重であるべきだという点、以上から、この具体的な案件についての投票結果の開示について賛否を述べることは適当でないと考えます。
2.私たちは、50 年前に作られた「小平都市計画道路 3・2・8 号府中所沢線」計画は、現状、また将来予測 にそぐわないものになっていると思っています。
同路線は、50 年前の計画通りに建設すべきと思いますか? それとも住民参加によりこの計画を見直すべき と思いますか?
1.50年前の計画通り建設すべき。
2.住民参加により計画を見直すべき。
2.住民参加により計画を見直すべき。
そもそもの問題として、本道路計画は都道をめぐるものであり、周辺住民に対して東京都が真摯に向き合うべき筋合いのものです。都が十分な対応をしなかった結果、住民の皆様が身近な自治体である小平市にはたらきかけざるを得なかったことが、こうした状況を生んでいます。私としては、大型開発(道路開発を含む)は抑制し、どうしてもつくらざるを得ない場合には、住民参加でまちのあり方、環境への影響に対して望ましい計画を作る方針であって、都が住民と向き合うことがまず必要だと考えます。
その点で、今回の小平市の住民投票は、単に道路建設の賛否を問うものでなく、住民参加によって計画を見直すことの賛否を問うものであり、住民参加のまちづくりを進める点から望ましい動きだと考えております。
また、住民の意思を反映させるための方策について、お考えがあればお聞かせください。
(都市計画道路は)
1.現状のままでよい。
2.住民の意思を反映させる方策が必要。
○宇都宮けんじ氏
2.住民の意思を反映させる方策が必要。
ご意見
そもそも、アセスメントを含めた計画決定のプロセスにおいて、住民参加が形骸化していることが問題です。今回の玉川上水のように、地域の環境(自然環境や景観、コミュニティを含みます)の持つ意味を最もよく知っているのは、地域住民のみなさんです。国土交通省でもPublic Involvement(PI手法)という、計画づくりの初期段階から、関係者に意見を聞く方法を取り入れ始めていますが、計画そのもの、道路を作るか否かのレベルから、住民の声をしっかりと取り入れることが必要です。
住民投票は直接民主主義的な手法の一つとして活用すべきものと考えますが、道路建設においては、直接的に建設の影響を受ける予定地近辺の人々に比べ、多数を占める無関心層の声が結果的に勝ってしまう可能性があることも事実です。住民投票をするのか、やるならどう問いを立てるのか、拘束力のレベルをどう決めるかなどは、他の(上記PIのような)手法との組み合わせの中で決められるべきもので、個別のケースごとに変わってくると思います。
その手法を決めるところから自治が始まると思います。その住民の意見を最大限尊重することが、都知事の仕事の出発点だと考えています。