小平3・4・23(国立駅大和線)、小平部分406mを検証する

2016年3月22日に、小平3・4・23号線が開通した。小平3・4・23号線は、国立市、国分寺市、立川市、小平市、東大和市を通過する国立駅大和線と呼ばれるJR国立駅北側から、西武多摩湖線の武蔵大和駅までを結ぶ2車線、幅員16mの都市計画道路の小平市部分の都市計画道路である。今回の小平市部分の小川一丁目部分241m、上水新町1丁目165mの工事が終わり、立川市境の若葉団地より北側から、立川通りまで小平市部分が開通したことによって、五日市街道から、西武多摩湖線の武蔵大和駅までが開通した。

小平市小川町1丁目の地図

小平の西武多摩湖線より西側を見ると、玉川上水を南北に通過する幹線道路は、立川通りから府中街道まで約2km存在しない。水車通りが西武国分寺線の東側にあるが、狭い生活道路で通勤時間などは往来が激しい。青梅街道と五日市街道の間の住民は、小平3・4・23が開通することで、市外に車で出やすくなった。一方、国の史跡である玉川上水交差部で、16m緑道が分断されてしまったのは、小平市にとって損失だ。今回、北側の東大和市境から、五日市街道まで小平3・4・23号線を歩いてみた。また小平市の一般予算決算付属書類から、小平3・4・23号線、241mと、165mと橋1本、合計406mの建設に掛かった費用をまとめて分析した。

グリーンロード(野火止用水)交差部

小平3・4・23号線の北側、野火止用水(小平グリーンロードの一部)との交差部。この部分は既設で、けやき通りとよばれている。北側(左側)は、新青梅街道を経由して、やまもも通りと呼ばれる道路として、西武多摩湖線 武蔵大和駅まで完成している。左側が北側、東大和市。右側が、小平市。

西武拝島線交差部分岐する道路

西武拝島線の踏切。手前側が北側。右側には副道。小平市栄町側の生活道路につながる。かなり広く副道をつくった道路になっている。ゆったりとした空間になっているが、本線に対して、あまりに幅広い副道には違和感がある。

立川通り南側_用地買収跡地

立川通りの南側、左側が小平3・4・23号線。写真手前が北側、写真右側(西側)は、道路予定地にかかるために出来た空き地。個人の所有地なのか、市が買い取ったのかは不明

12小正門前_3423の西側

小平12小、正門前。学校の敷地の東側部分が数m削られて、西側にセットバックしている。3・4・23号線の歩道が、安全に12小への通学路となっている。

小平の明日を考える会の看板

地元住民から3・4・23早期建設を求める声があったようだ。3・4・23の東側の住宅地。小川一丁目土地区画整理事業は平成26年4月に完成された。

小平12小通りとの交差部

12小通りの交差部。写真奥が北側。左側(西側)の奥が小平12小。T字に左側から交差しているのが、12小通り。2車線16mの道路で、交通量も少ないので、T字に接続して、往来できる。4車線の幹線道路の場合は、生活道路との接続は簡単にはいかない。左折のみになったり、あるいは行き止まりになったりという問題がおこる。

333との交差部_西側から撮影

小平3・3・3号線との交差部。左右が小平3・4・23号線で左が北(青梅が移動側)、右が南(玉川上水側)。小平3・3・3号線は、奥に伸びている部分で、新みちづくり・まちづくりパートナー事業として部分的に作られている。奥に見えるのは武蔵野美術大学の建物の一部。

玉川上水交差部_北側からの写真

小平3・4・23と玉川上水の交差部。16m幅の平面構造の百石橋(ひゃっこくばし)で連続した緑が分断されているのがわかる。市施行の都市計画道路、玉川上水交差部、地下構造には出来なかったのか。

玉川上水_南側_グルメシティ立川若葉台

小平3・4・23号線は玉川上水南側で、立川市の既設部分で若葉東通りとなる。西側にある若葉団地と隣接するグルメシティというスーパー。右側が北側。小平3・4・23号線が開通したことで、小平市からもグルメシティへの買い物に来やすくなった。

立川側の沿道の商店

若葉東通りのさらに南側の東側の沿道の商店街。

五日市街道交差部

若葉東通り(小平3・4・23と北側でつながる)と五日市街道交差部。写真の五日市街道の奥(南側)から国立駅まで都市計画道路の予定地である。2014年3月30日に東京都により発表された第四次事業化化計画で立川市市施行の優先整備路線(立川3・4・21)に指定されている。

全体を歩いてみて、また地図で南北の状況を確認して、五日市街道から青梅街道や、新青梅街道、さらに武蔵大和駅などへのアクセスがよくなったことはよくわかる。また、市内を見渡すと、玉川上水から青梅街道の間には、小川村開拓当初の17世紀から残っている短冊状の農地が、土地区画整理事業もあったため、次々と駐車場付きの一戸建て住宅になっており、この地区に住む住民にとって、南北の幹線道路が開通したことにより、五日市街道と青梅街道へ出やすくなった。但し、現在の所は、交通量は多いように思えない。小平市が開催した平成23年10月の工事状況説明会では、交通量は、北側への交通が1日4,000台、南側への工数が1日3,000台で、合計7,000見込んでいると説明していたが、今後のセンサスや小平市の調査結果を見てみたい。

小平3・4・23号線、平成23年10月の工事状況説明会によれば、全体予算15億円。用地買収費用が12億円、工事費3億円と説明していた。今回、小平市の一般予算決算付属書のH18からH26まで、一般予算書のH27、H28をもとに、小平小平3・4・23号線、241mと、165mと玉川上水への橋梁(百石橋)1本、合計406mの建設に掛かった費用を調査した。

小平3・4・23_小川1丁目241m_上水新町1丁目165m全費用

H27年とH28年は決算をしていないため、予算額であり確定していないが、一部予算を集計した全体にかかった費用は、16億5千9百万円。うち市財源が8億1千3百万円、国の補助金が5億9千3百万円、東京都補助金が1千7百万円。合計406mであるため、1mあたり約400万円の道路である。市債1億3千8百万円と、国の補助金のうち、国家予算の約半分が国債であり、2億9千万円が借金とすると、建設費用のうち、4億2千万円は借金であることを忘れてはならない。整備の効果があるかどうか、今後も厳しい目で検証していきたい。なお、これらの情報の元データは、小平中央図書館でコピーしたH18_H26_小平市一般会計決算付属書と、H27_H28_小平市一般会計予算書である。誰でも見ることができる情報である。

さらに、支出の内訳は、設計調査費1億3千万円(8%)、工事費が4億8千7百万円(29%)、用地買収費が10億4千百万円(63%)となっている。設計調査費に、玉川上水現況調査や、玉川上水自然環境調査などが含まれている。史跡玉川上水の工事をする際の文化庁に届け出等などに必要な調査と思われるが公費をつかっての調査なら、小平市は市民に公開すべきだ。玉川上水の自然環境に興味を持っている住民は多い。

さて、用地買収費用が10億4千百万円で63%となっているが、小平市一般会計決算付属書で公開している件数、買収した土地の面積、費用内訳から算出した。

土地買収費用平均

この付近の平成25年度の路線価の坪単価が42万円程度であったが、実勢売買価格は、何割か高い価格で取引されている。用地買収16件の平均を見ると、65万6千円となっており、少なくても路線価以上の金額の買収費用といえる。また、補償、補填、および賠償金は、建物の状態や規模によって変わるため、かなりバラツキがある。平均すると、坪48万円で、坪あたりの売価の平均は113万円となる。また、立ち退きした1件の用地買収の平均は5千4百万円。同じ条件の家を付近に購入できるかどうかはわからないが、この付近の一戸建ての家は購入できる価格だ。これまで、地権者は都市計画道路の、立ち退き費用について、十分な補償が得られないという話しを何度か耳にしていたが、市施行の小平3・4・23号線の例で、実態が明らかになった。

H25 年から小平3・4・23の整備と小川一丁目土地区画整理事業により、路線価は上昇している。土地区画整理事業と幹線道路である小平3・4・23を整備することによって土地の価格があがり、住宅が増えて固定資産税収入が増えるのため小平市が開発を推進してきた。しかし、日本全体の人口はすでに減少、小平市人口推計報告書(H24)によれば、H27年をピークに小平市の人口も減少に向かうとされている。都内の空き家も増加しており、開発をして新築を建てるまちづくりから、既存の住宅地の利用をもっと考えたまちづくりへの転換を考える時期だ。

そして、公費が都市計画道路に使われるという事実。わずか16件の立ち退きで10億円の費用、それだけの整備効果があることが前提でないといけない。国の借金は、1,000兆円を越えており、2016年6月8日に、三菱東京UFJ銀行が国債の入札に特別な条件で参加できる資格を国に返す方向で検討しているというニュースが報道された。異常に膨らんだ国債の累積額を考えて、さらに購入して良いのかという銀行の懸念が伝わってくる。引き受け手がいなければ国債は発行できなくなる。東京都や小平市の公共事業への国の補助金も関係しているのだ。国民、都民、市民の視線で、行政の都市整備事業を検証し、より抑制的になっていくべきだ。

例えば、小平3・4・23号線の東側の約600m付近に、白梅学園の東側、創価高校の西側に南北都市計画道路小平3・4・22号線が計画されているが、小平3・4・23の開通後の交通状況、小平3・4・23までの距離、現状の整備状況、玉川上水の保全を考えると、必要性はあるのだろうか?小平市は小平3・4・22については廃止を含めた検討をすべく、住民の意向調査や、東京都および、関係する近隣の市とも協議すべきだ。小平3・4・22の位置は市報2016年5月5日特別号小平市内の都市計画道路と優先整備路線の地図を参照されたい。この他にも1962年、または63年に計画決定された未整備または事業中の17本の都市計画道路について、費用対効果を検証して見直しに向けて動き出すべきだろう。

(文責 神尾 直志)