小平市小川一丁目の東側で都市計画道路の整備が進んでいます。朝鮮大学校・武蔵野美術大学と小平西高校の間のエリアは、6年ほど前までは、江戸時代(17 世紀)の小川村の開拓当初の原風景ともいえる農地や屋敷林を見渡せるエリアでした。このエリアで進んでいる3つの開発について報告します。
<小川一丁目地区区画整理事業>
小川一丁目土地区画整理事業は、2014 年4月に事業が完了しました。このエリアを希望して引っ越してくる人にとっては、農地・公園・小学校・玉川上水などがある調和のとれた良好な環境かも知れません。きつねっぱら公園こどもキャンプ場も整備され、既に利用されています。一方、武蔵野の原風景のような農地の光景の消失に胸を痛めている、という声をよく耳にします。
<小平3・4・23 号線>
小平3・4・23 号線は、小平西高と、朝鮮大学校と武蔵野美大の間を、玉川上水緑道を分断する幅員16m、2 車線、1,320m の南北道路です。玉川上水緑道を歩くと16m にわたり樹木が伐採されてしまい心が痛む光景です。一方12 小通りは狭い道を車が通り、通学に危ない上に、五日市街道から青梅街道までをまっすぐ南北移動出来る道路が周辺にないため不便という意見もあったようです。
<小平3・3・3 号線>
小平3・3・3 号線は、新五日市街道ともよばれる道路計画で、横田基地の南側を起点に、小平市を東西に通過し、西東京市で青梅街道に合流する主要幹線道路計画です。小平市エリアは、東西8.5km、幅員28m、4 車線で、小平市民には、大変大きな影響があります。8.5km全体について東京都と小平市での必要性の確認や、住民への説明をなしにして約550mだけ整備しています。2014年10月29日には、さらに西側の小川橋から東大和市駅に北上する南北道路から立川通り西側100mだけを整備するべく説明会が開かれました。
部分的に都市計画道路を整備をし、いつのまにか路線全体の整備を正当化するような進め方は住民参加からほど遠く、大変問題があります。
これら3つの事業にかかった費用は、H26年度までで37 億円余り(表1参照)。小平市の人口も間もなくピークを迎えると予想され、減少に向かいます。市街地開発と、玉川上水・緑地・農地などの環境保全。様々な角度から幅広く住民の意見を聞くまちづくりへの方向転換が、必要ではないでしょうか?
<文責 神尾 直志>
表1:3つの事業に関連する費用の合計 H6~H26年度の集計
(100万円以下切捨て 小平3・3・3、小平3・4・23費用の総額ではありません)
表2:事業に関連する費用の年度別集計(小平市一般会計決算付属書より集計)
(「コダイラー通信」4号(2014年11月)掲載、2016年5月4日追記)