樹木の延焼・倒壊防止効果

東京都は、このところ、道路の必要性を説明するために、震災時に延焼を防ぐために広い道路が必要と主張しています。

これについては、阪神大震災後の調査に基づく、非常に興味深い調査報告書がありますので、これをご紹介します。社団法人日本造園学会阪神大震災調査特別委員会が作成した、『公園緑地等に関する阪神大震災緊急調査報告書』です。

「家屋が全壊に近い地域でも、高木・低木にかかわらずほとんど地震による直接的な被害を発見できなかった。かろうじて発見できた被害の例としては、大木の幹や枝の折れ、石積みの崩壊と同時に樹木が倒木する等、数か所のみであった。倒壊した人工構造物に比べ、何事も無かったかのように樹木は健在であった。
また、地震によって枝折れ等の被害がある一方で、建物などの倒壊を支えたり、地震により発生した火災によって被害があるものの、延焼防止効果を発揮している。」(4 章「植物の被災実態と被害軽減効果」)

「緩衝緑地などが果たした震災後の大気汚染防止効果もあるはずであるが、特に震災特有の問題ではない為今回は取り扱わなかったし、心理的効果についても同様である。こうした震災に対する緑地の効果については今後の研究に期待したい。」とも書かれています。

328号線の建設によって玉川上水と雑木林で伐採される481本の樹木。その延焼防止効果や大気汚染防止効果はもちろん、その喪失による、この町の人たちへの心理的影響もまた、大変心配です。

hayashi

広告