昨日の住民投票では、51,010人が投票し、投票率35.17%でした。
あとから付けられた50%の成立要件によって、この住民投票は成立せず、開票されないこととなりました。
全国から多くの方の応援をいただいて、この住民投票に5万人が投票で意思を示したことは大きな意義があり、それが開票されないことは大変問題だと考えています。
本日午前中、小平都市計画道路に住民の意思を反映させる会として、小平市選挙管理委員会に対して、住民投票で投票された投票用紙51,010人分の写しを求める情報公開請求を行いました。
また、午後1時からの記者会見で共同代表3名が会見しました。会としての正式な声明というわけではないのですが、記者会見で配布した資料をこちらにアップします。
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5月26日、小平都市計画道路3・2・8号府中所沢線の計画の見直しの必要性を問う住民投票が行われました。
投票率は35.17%と、残念ながら50%の成立要件を満たすことができませんでしたが、51,010人もの小平の有権者が投票したことは、たいへん大きな意味があると考えています。
小平市は東西に広がった地勢ですが、その西部の道路計画を巡る今回の住民投票が、市全体の問題として、あるいはこれからの小平のまちづくりにかかわるものとして多くの共感を得た結果が、5万人という投票者数につながったと思います。
そもそもこの住民投票は、50年前に立てられた都市計画道路が、地元住民の意見をほとんど聞くことなく、計画の周知も不十分なまま進んでしまうことに対して、住民の意思を反映してほしいということで私たちが提案し、多くの市民の賛同により、直接請求によって条例が制定され、行われたものです。
3月市議会で可決成立した住民投票条例でしたが、投票率50%を成立要件とする市長提案による条例改正案が4月臨時市議会で可決され、今回の実施になりました。しかし、結果として5万人以上の市民が直接、意思を示したことを受けとめ、市民の意思を確認すべきと考えます。
すでに私たちの会は、本日午前中に情報公開請求を行いましたが、市に対して、ぜひとも投票結果の内容を公表することを要請します。
同時に東京都に対しては、今回の住民投票に5万人もの市民が参加したことを受け、その投票結果の内容が明らかになるまで、国への事業認可申請の手続きを停止することを要請します。
今回、3月の住民投票条例制定からわずか2カ月という短期間に、私たちは小平都市計画道路3・2・8号線の計画と、そして住民投票に至った経緯を小平市民に知っていただき、住民投票への参加を呼びかける活動をしてきました。その中で、さまざまな問題に気づかされましたが、大きく2つの点を指摘しておきたいと思います。
ひとつは、都市計画道路に対する市の姿勢が住民に問われているということ。「道路計画自体、初めて知った」「なぜ道路計画に住民の意思が反映されないのか」というたくさんの声をいただき、また道路計画へのさまざまな疑問を聞きました。住民投票条例の直接請求の署名活動の中でもあきらかになったことですが、これまで小平市が、東京都の事業であることを理由に、都市計画道路について、市民への周知や意見を求め、それを東京都へ伝えることに消極的であったことが、改めて問われていると思います。
もうひとつは、住民投票という、生活にかかわる重要な事項に住民が直接、意思を示す仕組みにおいて、50%という成立要件がいかに不適当であるかということです。こうした成立要件を設けること自体、投票行動の抑制につながることは知られています。そして市長は「投票率50%未満では市民の総意として容認できない」という趣旨の発言を繰り返していますが、では、市民の総意を汲み取るための住民投票の周知活動を市がどれだけ行ったのかについては疑問が残ります。市報等での扱いは公平ではなく、、掲示物などはわかりにくく不十分で、1回の説明会も開いていません。それどころか市長は、告示後の記者会見において、「ボイコット運動も許容できる」という発言をしています。これでは住民投票の実施を否定し、開票を阻むために投票率50%という成立要件を設けたことと受けとめられます。
しかしながら、こうした市の姿勢の問題や市長の問題発言が繰り返されながらも、5万人以上の人が住民投票に参加したということ。これは今後の道路計画の策定や見直し、市民参加のまちづくりに大きな影響を持つものだと思います。ことに何十年も前に立てられた計画を「決まったことだから」という理由で進めるのではなく、住民参加で、時代にあったものに見直していく必要性が、明らかになったといえるでしょう。
5万人もの投票があったのは、マスコミでの報道も大きくかかわっていると思いますが、それだけ全国で、道路計画や市民参加のまちづくりについて、同じような問題があることを示していると考えます。
玉川上水や雑木林の緑を守りたい、まちづくりに住民の声を生かしてほしいというところからスタートした私たちの活動ですが、今回の住民投票の経験を活かし、住民参加の小平のまちづくりをすすめるための活動を行って行きたいと考えています。
2013年5月27日
小平都市計画道路に住民の意思を反映させる会
共同代表 庄司徳治 馬場悦子 水口和恵 渡辺進