武田真一郎先生が控訴審判決の感想をお寄せくださいました。

成蹊大学法科大学院教授の武田真一郎先生が控訴審判決についての感想をお寄せくださいました。今回の判決文の問題点がわかりやすく整理されています。ぜひご一読ください。

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控訴審判決の感想

                    2015.2.4
成蹊大学法科大学院教授(行政法) 武田真一郎

 判決は、要するに住民投票の結果は「法令秘情報」(法令により秘密とされた情報)だから公開しなくてよいと言っている。しかし、最高裁判例によれば、「秘密とは非公知の事実であって秘密として保護に値するものをいう」とされている。住民投票用紙には都市計画道路の見直しが必要かどうかについて市民の意見が示されているが、なぜこのような市民の意見が秘密として保護に値するといえるのか。市が投票結果の公開を拒否しているのは、「市民の意見を聞かずに計画通り道路建設を進めたい」という本音があるからだろう。裁判所はこのような正当とはいえない市の本音を保護に値すると言っているに等しく、きわめて問題だ。

小平市を含めて情報公開条例は「原則開示の原則」をとっており、法令秘情報に当たることの立証責任は小平市(被告)にある。市は投票用紙が法令秘情報に当たるというだけで「秘密として保護に値する」理由は何も主張していない。それにもかかわらず市の主張を認めた本判決は、原則開示の原則を逆転させて「原則不開示の原則」をとったことになる。その意味で情報公開制度を大きく後退させる不当な判決だ。

さらに、小平市情報公開条例は市民が行政情報を「知る権利」を明確に保障していること、住民投票条例は不成立の場合に開票しないとも結果を公開しないとも規定していないことを考慮すれば、本判決の不当性はいっそう明白になる。

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