小平市のまちづくりフォーラム(10/17)に参加して 都市計画マスタープラン改訂に期待すること

小平市のまちづくりフォーラム(10/17)に参加して 都市計画マスタープラン改訂に期待すること

2015年10月17日に開催された小平市主催のまちづくりフォーラムに出席した。小平市都市開発部都市計画課の主催で開催しており、今回が7回目。まちづくりへの市民参加をうながす目的で、開催されている市民向けのイベントだ。今回は小平都市計画マスタープラン見直し検討委員会の副委員長で東京経済大学現代法学部 教授の羽貝 正美(はがい まさみ)先生のお話がメインだった。

小平市 提案型まちづくり条例とは? 
はじめに、小平市民等提案型まちづくり条例の説明があった。新しいまちづくりへの市民参加の手法として小平市が制定した条例であり、小平都市計画マスタープランで将来の都市像を実現するために市民(住民、土地所有者)、事業主、市による参加と協働のまちづくりを目的としているそうだ。

新しくできるかも知れないマンションの高さ制限を加えて景観や日当たりが悪くならないようにしたい、公園を整備してもらいたいとか、道路の歩道を拡げてもらいたい、新しく立てる建物は色を統一して景観をまもりたい、など、その地区で同じ要望、悩みを抱える問題意識を共有出来る市民が5名以上集まると、地区まちづくり準備会というのをつくることができて、市から助成金を出してもらえる。さらに、市から一級建築士、技術士、再開発プランナー、などを派遣してもらうことで準備会に対してアドバイスしてもらえる。

さらに、ステップアップして、おおよそ3000㎡程度の地区に限定して、10人以上の構成員が集まると、地区まちづくり協議会をつくることができて、都市計画法の法的拘束力のある地区計画の高さ制限などの規制に加えて、地区まちづくり計画というルールを策定できる。地区まちづくり計画は、当該地域の50%以上の賛同が得られれば、市に届け出ることが出来る。その結果は法的な拘束力はないが、市も遵守するように市民に働きかけには協力する、さらに、法的拘束力のある地区計画として市に提案することも出来る、という説明だった。

そもそも、何故市民がまちづくりに参加しないといけないのか?市税を払っているだからうまくやって欲しい、というのが平均的な市民が感じることだろう。また、同じ地区に住んでいる人同士で、まちづくりの悩みを共有しているのかというとそうではない人が多いだろう。共通のテーマを持つ仲間がいても、必ずしも地域で結びついていないのではないだろうか。労力をつぎ込んで、特定地域のまちづくりのルール作りにパワーを注ぐのは難しいのではないか?というのが率直な印象だ。都市計画道路、再開発計画など東京都や小平市の既定の計画に載る提案なら市も協力するだろうが、逆に既定の計画と衝突するような地区まちづくり計画をすすめたいとしたら、小平市はまともにとりあってくれるのだろうか?という疑問がある。労が多い割には、得るものが小さいのでは?という印象を持った。

羽貝先生講演

さて、羽貝先生のお話「自治と参加・協働によるまちづくり、 身近な景観への関わりが育む自治、自治が生き返らせる景観」というテーマだった。憲法92条の地方自治の本旨に触れられて、地域住民の主体的な活動、政治活動への参加、チェック機能、自治体の政府や都道府県に依存しない意志決定などが保証されたが、実態は3割自治と言われてきている国優位、都道府県優位が続いてきたが、シャウプ勧告や神部勧告に触れられて制度的にも実態としてもすこしずつ自治が進んでいるというお話だった。

価値観の多様化から近所の人と、互いに顔見知りになる関係というのが難しい時代になってきていること、小子高齢化、人口減少の到来、高齢化率全国平均は26%となり、平成の大合併で3200あった市町村が1700まで減ったことなど自治に求められる役割も、急速に変わってきており、そんな社会変化の中で、自治体と住民の協働の例として、東京の校庭の芝生化、地域がメンテナンスする条件で行政が費用を出した例、放棄自動車の捨て場や、不法占拠の市民菜園化されていた川べりの土地が公園に生まれ変わった八王子の手作り公園の例、柏市の地下道(6国プロジェクト)の例では住民、市、国道を管理する国が協働して、地下道の環境が良くなった例などをご紹介された。住民同士、住民と行政(自治体)と、良好な人間関係があるから実現出来たこということで、地方自治、協働の良い例を紹介する良い内容の講演だった。

都市計画マスタープランの見直しについての期待

8/29には、同じく小平都市計画マスタープラン見直し検討委員会の委員長の大妻大学教授の松本暢子先生の講演があったが、これからのまちづくりは、人口減少、少子高齢化社会を迎えるにあたって町の賑わいを創出するというような発想ではないという御意見で、現在の小平市の実情に即したお考えの方で有り、委員長、副委員長ともに良い人選だという印象だ。

都市計画マスタープランは、まちづくりの将来像を示すものであり、2007年3月に見直された現在のマスタープランでは、10年間で検討・整備をすすめる開発計画が明記される。例えば、小川駅西口は再開発により整備を進めることを明記しており、小平駅北口は駅前広場の整備を進めることなど明記されており、この10年間で検討が進んでいる。都市計画道路計画については、小平3・2・8号線、小平3・4・23号線、小平3・4・24号線など優先整備路線として明記されており、実際にこの10年で事業が進められている。

マスタープランの地域構想を見ていくと、小平市の都市計画道路24本がすべて整備される前提で将来の街をイメージした記載になっている。これら24本が計画決定されたのは1963年。既に52年が経過している。当然ながら当時の想定した未来像と現状は異なるし住民の価値観も大きく変わっているはずだ。現状の都市計画道路整備率は約40%、完成したものは7本だけ、残りの17本は整備中か未着手のものである。これらの計画では、立ち退きを迫られる住居や、玉川上水と交差する道路、畑や果樹園を通過するものなど、学区を分断してしまうものなど、市民への与える影響は大きい。これらすべてを準備整備していくというのが2007年の小平市の都市計画マスタープランである。

少子高齢化、人口減少を迎えようとしているいま、小平市民や近隣市民の利便性を高めるため市民に整備が望まれる計画もあるだろうが、逆に望まれないものもあるだろう。見直し委員長と副委員長の松本先生と、羽貝先生には、本当の意味での街づくりとは何かを十分に考えて頂き、具体的な開発計画ひとつひとつにも踏み込んで、市民の意見集約と調整を行い、多くの市民が賛同出来る都市計画マスタープランにして頂くことをお願いしたい。(文責 神尾直志)

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