2016年7月16日 小平3・2・8号線現地を歩く会報告

小平3・2・8号線現地を歩く会を7月16日に開催した。東京学芸大学で小中学校の社会科の先生を目指して勉強中の学生さんたちから連絡を頂き、7月16日土曜日の午後、学芸大学生2年、3年、4年の6名のメンバーとともに、小平3・2・8号線現地を歩く会を行った。東京学芸大学は小平3・2・8号線現地からもそれほど遠くない場所にある。

彼らの話によると、小中学生の社会科の授業で、事例を通じて社会を考える授業のプログラムをつくる実習があり、今年はテーマとして小平市または府中市が割り振られ、小平市を選んだそうだ。当初は、小平市観光まちづくり振興プランにある「プチ田舎計画」にフォーカスしてもろもろ調査していたが、小平3・2・8号線開発計画の存在を知って、住民投票が行われたことも知って、興味をもってしらべていくうちに、こちらのテーマの方が教材としておもしろいと考えて変更したとのこと。既に、メンバー数名で現地の見学を行い、小平3・2・8号線計画についてある程度の知識をもっていた。

用地買収_小川一丁目の328と333交差点あたり

用地買収が進んでいる小川一丁目の予定地。小平3・2・8号線は写真の奥(南側)から手前(北側)に通る。36mの道幅。東西両側が買収されて、36mの道幅が想像できるようになってきた。

小平中央公園の雑木林

小平中央公園の東側に隣接する雑木林。柵の左側(東側)が、小平3・2・8号線予定地。右側(西側)が小平中央公園として残される。まだセミの鳴き声も少しで、静かな午後だった。雑木林も半分残るから良いではないかと言う人もいるが、ここに来れば乱暴な意見であることに気付くはずだ。すぐ横に4車線、時速60kmの幹線道路が通れば、右側(西側)に残される雑木林の価値は半減どころではない。騒音・振動・排ガスでゆっくり過ごせるような環境ではなくなる。

府中街道、久右ヱ門橋交差部

小平3・2・8号線の東側150mくらいにある府中街道が玉川上水と交差する久右衛門橋。休日のお昼だったので渋滞と言うほどではなかったが、幹線道路にしては狭く歩道も狭い。緑がしげっているところに玉川上水緑道。ここは道幅10mくらい。小平3・2・8号線が玉川上水と交差する際の平面橋は、この3.6倍、多くの樹木が伐採される。

参加者たち国分寺328側を見る

五日市街道から、南側の国分寺3・2・8号線を見る参加者たち。

五日市街道から

五日市街道から手前(北側)の小平3・2・8号線の南側の始点。江戸時代からここに住んでいると思われる大きな農家のお宅だった。屋敷林、くら、お屋敷、もろとも立ち退いて広々としている。

上水本町素敵な屋敷林

上水本町1丁目の予定地。写真の奥(南側)は栗林。奥(南側)から手前(北側)に、右側(西側)の住居すれすれを小平3・2・8号線は通る。左側(東側)は屋敷林も予定地。いつも手入れされていて素敵だ。恐らく地主さんは、道路予定地だから屋敷林として残しているのだろう。失われる自然には、雑木林と玉川上水だけではなく、栗林や屋敷林も含まれる。

上水本町、玉川上水の南側

奥(北側)に見えるのが玉川上水の緑道。小平3・2・8号線は写真手前(南側)から奥(北側)の玉川上水側へ36m幅で通る。右側(東側)の農地と、左側(西側)の住宅も予定地

参加者の学芸大学の学生の御意見は以下の通り。

  • 一度見学していたが、詳しく解説してもらうフィールドワークを通してしていろんな事がわかった。自分としても何が解決になるのか、わからない。ゆっくり考えたい。
  • 選挙では道路計画は論点にならず、道路計画に対して民意を反映されないという間接民主主義の弱点について考えさせられた。直接訴える方法は陳情・請願、住民投票などもあるが、どうあるべきか考えてみたい。
  • 以前、地権者にインタビューしたときは、地権者は既に引っ越しすることを決めていると言われていた。仕方ないという感じだった。今日はまた別の地権者の声を聞けた。今日学んだことを他に活かせる視点を持ちたいと思った。
  • 社会科教育のひとつに公民的資質の育成というのがある。公民的資質には、多角的な視点で行政を批判的に見る思考力も求められる。人によってそれぞれの考えを持つ、自分の考えを根拠をもって言える力を養うことが求められている。詳しくは、森分 孝治(もりわけ たかはる)先生がこの分野の第一人者。
  • 計画に対して、賛成・反対の両方の声をとりあげる力が行政にはあるべきだと思った。

6名参加のうち、ディスカッションに残ってくれた4名は、7月10日の参議院選挙で全員投票したそうだ。社会科の先生を目指す学生さんだけあり、しっかり勉強しており、メモの取り方もすごかった。一字一句逃さずという感じのメモぶりに圧倒された。「公民的資質の育成」については、教えて頂き勉強になった。こんな若者達が学校で社会を教えることになるなら、日本は捨てたものじゃない。なお、4年生の彼は、なんと東京都庁の職員を目指してるとのこと。都市整備局や建設局に行ったら、どうなるんだろうか。都庁に就職しても、今回の歩く会で感じたことを忘れないで欲しい。

今回、小川一丁目の予定地で2mだけ自宅が小平3・2・8号線にかかるというお宅のお話しを聞くことが出来た。母屋をすこしだけ削る事になるのだが、そうなると建ぺい率が越えてしまい違法建築になり住めなくなるとのことだった。公金を使っての用地買収の対象は、道路予定地の部分だけが原則で、果たしてどのくらいで購入してもらえるのかと大変心配そうな表情だった。

小平3・2・8号線計画決定が1962年で、このときは幅員28mの計画だった。過去の住宅地図でこのあたりの地図を追いかけると、84年の住宅地図で、当地が小平3・2・8号線の線にあたらないように街をつくり変え区画が売り出されたことがわかる。恐らく住民の方は、この地に永住できると思って住宅を建てたと思われる。しかし2010年での小平3・2・8号線計画の東京都による住民向け説明会で幅員36mの変更素案となっており、その後の手続きを経て小平市及び東京都の都市計画審議会で36mの変更案が承認されて幅員36mにて2014年7月に事業認可された。28mから36mに拡張したのには、周辺の住民へ配慮し、また歩道や自転車道や街路樹のスペースを広くするためなのであるが、このような問題が個別に起きていることを忘れてはならない。

(文責 神尾 直志)

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