小平市内の都市計画道路と優先整備路線 市報こだいら H28年5月5日号を読む

市報こだいらが東京における都市計画道路の整備方針(第四次整備方針)特集号(平成28年5月5日号)を出した。

この都市計画道路特集号の2面にある地図は画期的だ。これまで小平市がつくってきた都市計画道路の地図と比べて情報が多い。小中学校、大学など、主な公共施設を追加してくれたので、未整備の都市計画道路がどこを通るのか伝わりやすくなった。また、H28年度から、H37年度までに優先的に整備する優先整備路線がどこか、施行者が誰か、整備済み、未整備、事業中など、非常にわかりやすく表示して、市民に伝えようとしている姿勢は評価したい。

しかし、課題がある。なぜ、小平市都市計画マスタープラン改定【中間まとめ】の意見募集が終了する平成28年4月25日直後の5月5日にこれを公開するのか?という点である。東京都が第四次整備方針を公開した3月30日にはすでにわかっていた内容だ。これでは、都市計画道路については「決まったこと」として広報して、小平都市計画マスタープランの議題として取り上げないようにする意図を感じてしまう。この姿勢には大いに疑問を感じる。

都市計画道路は都市計画法上の都市施設にあたるが、都市計画運用指針では、見直しが推奨されている。くわしくは、小平市都市計画マスタープラン中間まとめを読む(その3) 都市計画道路と守るべき自然環境の衝突に記載したので、ご参照いただきたい。そして、都市計画マスタープランは、小平市都市計画マスタープラン中間まとめを読む(その1) 小平市の都市計画マスタープランの進め方についてに記載したが、都市計画法上市民参加が保証されており、まちづくりの将来像を見直していくために位置づけられているものだ。

都市計画マスタープラン改定の中で、まちづくりの将来像を市民参加でつくっていく中で、未整備の都市計画道路については、市民の多様な声を拾い上げてまとめるべきだ。東京における都市計画道路の整備方針(第四次整備方針)の策定の中で、小平市の意見として東京都に伝えて、市民の意向が反映されるよう調整する姿勢が欲しい。近隣都市の中で、都市計画マスタープランの見直し最終年度を都市計画道路の整備方針(第四次整備方針)の翌年にしているのは小平市だけだ。都市計画道路見直しに市民参加を拒絶したい意図があるのかと考えてしまう(近隣他市の改定年度、小金井市H24年、東久留米H24年、国立H24、東村山H23、国分寺H28、東大和H27)

小平市の都市計画道路24本は、すべて1962年、1963年に都市計画決定したものであり、計画決定から53年の年月が経過している。1963年と現在では、時代が違う。当時は命名されていなかった小平グリーンロードや、都心部への上水道としての役割を終えようとしていた玉川上水などは、都市計画道路を計画する際には、なんの考慮もされていなかった。この時代の計画決定を100%として、「平成228年度3月末の整備率は42.6%であり、計画的な整備の推進が課題」などと市報書くのはおかしい。この点、近隣他市との整備率の比較や小平都市計画道路見直し検討委員会の議論については、小平市都市計画マスタープラン中間まとめを読む(その4) 小平3・3・3により消失してしまう商店街と小平市の果たすべき役割後半に記載したので、ご参照いただきたい。

さて、以下に、小平市がわかりやすく作ってくれた小平市の都市計画道路と優先整備路線の図(原図)と、図に守るべき小平市の環境と衝突している点を記入した図を並べた。

市報の小平市の都市計画道路と優先整備路線の図(原図)

小平市内の都市計画道路

市報の小平市の都市計画道路と優先整備路線の図に、小平市の守るべき環境を追記した図

小平市内の都市計画道路と小平の守るべき環境注釈

玉川上水や周辺の緑地と交差する部分5箇所1)~5)と、小平グリーンロード(多摩湖自転車道)と交差する部分3箇所6)~8)と、小平グリーンロード(野火止め用水)と交差する部分9)と、合計9箇所をあげた。これら交差する都市計画道路がすべて不要などという乱暴な意見を言うつもりはないが、小平市民にとって、大切にしている環境が、都市計画道路の整備より優先されるべき場所も何ヵ所かはあるだろう。また、都市計画道路の施工方法を工夫することで、環境を守る、あるいは、環境破壊を最小にとどめることができる箇所がある。

近隣他市の都市計画道路と守るべき環境が衝突している場合の都市計画マスタープランについては、小平市都市計画マスタープラン中間まとめを読む(その3) 都市計画道路と守るべき自然環境の衝突前半に記載したので参照していただきたい。都市計画マスタープランの改定こそが、市民の意見をヒアリングする最大のチャンスであるので、小平市はこれから始まる地域別構想の中で、逃げずに小平市民の多様な意見を聞いて、都市計画マスタープランに課題として記載して、東京都や近隣市と調整する努力を怠らないでいただきたい。

1)小平3・3・3号線と玉川上水部分の写真

玉川上水交差部_南西側から北東を撮影

立川市の幸町団地が左側に見えるが、小平3・3・3は幸町団地と平行に、写真手前から奥へと玉川上水を斜めに通過。計画通り作られれば、覆われる部分は数百メートルになる。例えば、このような交差部の自然環境が破壊されてしまうことについては、課題として都市計画マスタープランに記載するべきだ。施工方法を工夫することで環境破壊を最小にすることは出来るはずだ。

7)小平3・3・3と小平グリーンロード(多摩湖自転車道)の交差部

11_多摩湖自転車道と重なる

小平グリーンロードの一部である多摩湖自転車道を斜めに交差するため、少なくとも200mは小平3・3・3号線に重なる。写真手前右側から写真奥の左側に小平3・3・3号線は抜けていく。この部分は優先整備路線に指定されたため、H28年度からH37年度までに事業化される可能性が高い。小平3・3・3を南西側に移動するか、多摩湖自転車道を南西側に移動させて、交差部を垂直にすることで犠牲を最小にできる。小平市都市計画マスタープランの中で、「小平3・3・3と、グリーンロードとの交差部分については事業化の際に、整備のあり方を検討する」と記載すべきだ。

ほかにもいろいろ課題があるが、今後、このブログで、他の部分についても写真付きで紹介していきたい。

(文責 神尾直志)

小平市都市計画マスタープラン改定【中間まとめ】を読む(その3)

小平市では、現在、小平市都市計画マスタープランの改定を進めており、現在、中間まとめが公表されており4月25日まで意見募集している。

前回のその2では、小川駅西口再開発の高度利用の方針の進め方について、情報公開が十分でないまますすめられて、都市計画マスタープランの見直しの中でも“高度化”について議論されていないことについての課題をまとめた。その3は、都市計画マスタープランの検討の中の都市計画道路について、守るべき環境が衝突している場合の市町村の対応について、小平市と近隣市の態度を比較することで、小平市の都市計画マスタープランに不足している点を確認し、見直し検討委員会、小平市議会都市計画マスタープラン全体構想特別委員会の審議が、無作為抽出アンケートに基づいたものになっているかについて考察する。

未整備の都市計画道路と計画の見直し

都市計画道路マスタープランを見ると、未整備の都市計画道路がいかに多いかがわかる。小平市ではこの図が市のホームページにあり、中間まとめにもP48に交通ネットワーク方針図がある。小平市の都市計画道路はすべて、1962年、1963年に計画決定された。この古い道路計画に忠実に整備を進めようとしているのが今の小平市のまちづくりであるが、それはそのまま東京都のまちづくりで、各地で環境問題など軋轢を引き起こしている。

東京都と26市2町は、未整備の都市計画道路について、10年に一度見直ししている。正確には、10年に一度の優先整備路線を選択する過程の中で、必要性が確認されなかった路線を見直し路線としている。また、必要性が確認されたものの特別な事由により検討が必要な路線を、計画検討路線としている。これらは2016年3月に「東京における都市計画道路の整備方針(第四次事業化計画)」として公開している。計画決定路線1,394本、3,207kmのうち、H25年度末での整備率は、完成路線1,997km、62%で、第四次事業化計画で見直しされた路線が9本、計画検討路28本が選ばれたが、見直ししたというには数は少ない。なお小平市では、見直し路線も、計画検討路線も1本もなかった。

東京都における都市計画道路の整備方針(第四次事業化計画)は法的に位置づけられていない。都市計画道路は、都市計画法の第11条の都市施設にあたる。この都市施設の計画を定める主体者は、第15条に記載があるが、都道府県または市町村となる。「一の市町村の区域を超える広域の見地から決定すべき地域地区として政令で定めるもの又は一の市町村の区域を超える広域の見地から決定すべき都市施設若しくは根幹的都市施設として政令で定めるものに関する都市計画」と記載されており、広域にまたがるもの、根幹的な都市計画道路は都道府県が決定し、それ以外は市町村が決定することになっている。東京都が、10年に一度、区市町を一斉に集めて優先整備路線を決めるという進め方になっているが、それは東京都だけが独自に行っていることであり、法的な枠組みに位置づけられたものではない。

都市計画道路の見直しが始まっている他県と東京都

他県では、都市計画道路の見直しが始まっている。国交省の第8版 都市計画運用指針(H28.4)のP9には、「長期にわたり事業に着手されていない都市施設又は市街地開発事業に関する都市計画については、見直しのガイドラインを定めるとともに、これに基づき、都市の将来像を踏まえ、都市全体あるいは影響する都市圏全体としての施設の配置や規模等の検討を行うことにより、その必要性の検証を行うことが望ましく、都市計画決定当時の計画決定の必要性を判断した状況が大きく変化した場合等においては、変更の理由を明確にした上で見直しを行うことが望ましい」と、都市計画の見直しを推奨している。

埼玉県神奈川県千葉県など近郊の都市では、都市計画道路見直しガイドラインをつくって、市町村主体で見直しを促している。政令都市である川崎市さいたま市千葉市なども積極的に都市計画道路の見直しを行っている。都内でも新しい道路計画の見直しの取り組みが始まっている。調布市では、まちの骨格となる都市計画道路と地区内交通を担う生活道路を一体的に計画し整備を進めるため、平成26年度と平成27年度の2か年で「調布市道路網計画」を策定公開した。東京都の第四次事業化計画と独立して進めている。第四次事業化計画第2章P49から、調布市内には5つの計画検討路線があり、調布市から東京都に申し入れしたことがわかる。

東京都だけ何故、頑なに都市計画道路の見直しをしないのか、2016年1月17日に東京都都市整備局主催の「東京における都市計画道路の整備方針(第四次事業化計画)のオープンハウス」という展示イベントに参加して質問してみた。都市基盤街路計画課課長補佐は、「東京は他県とは違う。さらなる成長、発展を続けるために都市計画道路のさらなる整備は必要」という説明だった。「東京における都市計画道路の整備方針(第四次事業化計画)」第1章11ページによれば毎年都施行の都市計画道路に約3,000億円、東京の全区市町の施行の都市計画道路に約400億円の予算が使われている。巨大な公共事業には、生業としている関係者も多く、容易には縮小できないのだろう。都市計画法上に、一度計画決定された都市計画が一定期間で事業化に至らなかった場合に、計画が消えるという仕組みがない。国会議員、知事や都議など政治家が動かない限り、当面はとにかく50年以上前の古い計画通りに、都市計画道路をつくりつづけることになりそうだ。

小平市の近隣市での取り組み

東京都の都市計画道路推進のリーダシップに対して、都市計画道路と守るべき環境が衝突している場合の、小平近隣市の取り組みを各市の都市計画マスタープランから見ていく。

小金井市の都市計画マスタープラン(H24)の場合は、全体構想のP35で、野川公園、武蔵野公園の北側にある国分寺崖線(はけ)を通過する都市計画道路3・4・1について変更の可能性の検討と課題としてあげている。東京都の第四次事業化計画で都市計画道路3・4・1は優先整備路線に選ばれている。なお、小金井市のH28年3月28日の本会議で「はけの保存のために、小金井3・4・1号線および小金井3・4・11号線外の優先整備計画の見直し・変更を求める陳情書」が、賛成多数で可決されており、今後の動向が注目される。小金井3・4・1号線、3・4・11号線ともに都施行である。

小金井_H24_道路の段階構成と整備方針_P35

東久留米市の都市計画マスタープラン(h24)では地域別構想のP116では、「本市の財産である南沢遊水地を横切る形で計画されている都市計画道路東3・4・12と、同様に竹林公園を横切る同東3・4・18の整備にあたっては、その環境を守ることのできる整備のあり方が明らかになるまで当該箇所(道路ネットワークの方針図:自然環境を守ることを前提とした区間)の整備を留保し、明らかになった時点において、それにあわせて整備を進めます」という記載をしている。曖昧ではあるが、整備を留保するという強い言葉で環境を守る姿勢を示している。東京都の第四次事業化計画では、該当する区間は優先整備路線に選ばれなかった。なお東3・4・12は市施行、東3・4・18は都施行である。

東久留米_H24_地域別構想_南部_P116

国分寺市の都市計画マスタープラン(H28.2)では、史跡武蔵国分寺跡の歴史文化資源や崖線の緑が集積するエリアと、都市計画道路の国分寺3・4・1がぶつかっているが、P43には、「廃止も含めたあり方を検討する必要があります」と、明記されている。東京都の第四次事業化計画では、該当する区間は計画検討路線としてあげられており、やはり、「廃止も見据えて検討する」(P91)と記載されている。国分寺から東京都への働きかけを行ったのだろう。

国分寺都市マスH28.2_道路・交通_P43

国立市の都市計画マスタープラン(H25)では、具体的にどの都市計画道路と環境の問題のことかは不明であるが、整備のあり方や環境上の配慮などの観点から、計画の見直しの検討が課題であることはあげている。

国立_都市マスH25.2_みちづくり_P35

なぜ、小平市は都市計画マスタープランで課題にふれないのか

小平市はどうであろうか。東京都の第四次事業化計画で優先整備路線に選ばれた小平3・3・3号線の西東京市境から新小金井街道までの区間には、小平市が地域資源として認識しており、水と緑のネットワークとしてあげている小平グリーンロードの一部である多摩湖自転車道と斜めに交差するので、グリーンロードが少なくても200m以上、寸断されることがわかっている。小平市の都市計画マスタープランの中間まとめのP44の記載は、「沿道の土地利用について検討」とだけ記載されているだけ。課題があることにはふれず、都市計画マスタープランの中では目をつぶっている。何故、課題としては認識を都市計画マスタープランに示さないのか? 交差部分を減らすような設計変更を東京都に求めないのか、他市のマスタープランのように、課題としてあげて、最低限「グリーンロードとの交差部分について整備のあり方を検討する」などと記載をすべきだ。

11_多摩湖自転車道と重なる

写真は多摩湖自転車道(グリーンロード)に小平3・3・3号線は、手前(東)から奥(西)に斜めに交差する部分

小平市は、H28年1月28日に行われた小平市都市計画マスタープラン全体構想特別委員会で、都市計画部長が小平3・3・3号線に対して以下の説明をしている。

“その中で小平3・3・3号線(新五日市街道)は、多摩地域の東西交通円滑化に資する骨格幹線道路の一つであるためということでうたってございますから、これは東京都が施行主体となっていきますので、市としてはその整備を見守っていくことになります。
小平市はどういう立場でいるかというと、道路をつくるのはもちろん東京都でございます。これは地域をまたぐ大きな幹線道路ですから、市が必要性云々を言う立場には多分ないのだと思いますが、道路ができたときの周辺の町をどうするか、それはまさに小平市の問題でございますので、地域をどうつくっていくか、具体でいいますと、今、商店街をちょうどまたぐような部分がございます。そこがなくなったときに、周辺の商店をどのように再整備するのか、しないのか。実際には住宅が張りついていますから、急に住宅を除いて商店を建てるのは難しい面もありますが、そこは地域に入っていって、いろんな声を聞いて、まちづくりをしっかり進めていきたいと考えてございます。”

この姿勢は、多摩の近隣他市の取り組みと比較すると、手抜きと言われても仕方ないだろう。守るべき小平市の環境や、影響を受ける小平市民から目を背けている。しかし、都市計画部長が、小平市の最長の商店街で800m以上が東西に続く鈴天通り商店街と、光が丘商店街についても約8割が、予定地にあたることを認識して、再整備について言及しているので望みがある。まちづくりカフェの第7回の街歩きでは予定地は歩いていない。参加者を刺激したくなかったのだろう。しかしその態度は間違っている。商店街が消失してしまうことについて、委員会の中で市議に説明したように、都市計画マスタープランの中で共有すべきだ。歩いて回れる貴重な商店街。小平3・3・3号線の整備が進んだ後は、全く違う姿に変わるのだ。整備後のまちづくりのあり方について、都市計画マスタープランで住民の意見を聞いて、どう整備していくのかの方針について地域別構想に記載すべきだ。

07_光が丘商店街北側

写真右側(北側)が予定地。鈴天通りと光が丘商店街併せて800m程度続く、個人商店街の通り。

見直し検討委員会の議論から、道路整備率について

さて、見直し検討委員会での都市計画道路の議論を見る。見直し検討委員会の第5回の会議要録で議論があった。P13から委員Dの意見を抜粋する。

“都市計画道路の整備状況に関して「多摩地域の都市計画道路の整備は 60%程度進んでいますが、本市の都市計画道路の整備は40%弱にとどまり、 道路整備の必要性は依然として高い」というロジックには違和感がありま す。計画が立っているから、周りのエリアに追いつかなければならないと言っているのか、市民の要望が高いという事実があるのか、その点がよく分か りません。 これまでの話からすると、市民から「交通渋滞が酷いから道路を整備して ほしい」という要望はあまり聞こえていないような印象があります。上の「小平市の望ましいまちの姿について」というグラフでは「道路や公共交通 が整備され」という評価があり、加えて「歩行者や自転車の交通にもやさし い」という評価は私も同意するところです。つまり、そこではなくて、40% の達成率だからさらに達成率を上げるという考え方には違和感があります。”

50年前の計画決定に対する整備率が低いから整備が必要といういうロジックを否定しており、官僚的な発想に釘を刺している。松本委員長の御意見は、以下の通り。

“希望的に言うと、周辺の方々を含めて、どのようなつくり方をするのか等 をきちんと詰めた上で計画をつくっていくような、「市民に喜ばれるものとして整備する」という意思が計画に反映されなければならないと思います。 この文章は、東京都が決めたからつくるという前提で、40%の達成率では少ないので60%まで努力するというようにも受け取れるので、そうではなくて、「これからは周辺環境も含めて良いものにしていくという趣旨で、ネッ トワークも良くなるし、市民にとっても良いものになる」という観点から取り組んでいく、そういう整備における市民協働の環境整備を目指すと書かれ た方が良いと思います。”

ところが、公開された中間まとめのP18には、他市と比べて整備率が低いから整備することに拘っていることがわかる。どうしてもこれを書かないと気が済まないのだろうか、もう少し見直し検討委員会の意見を受け容れるべきだ。

“幹線道路の整備は、渋滞の解消だけでなく、歩道、自転車道、沿道の植樹による緑の確保、 延焼遮断帯としての防災性の向上、沿道を活用したにぎわいを醸成するなど、多くの効果をもたらします。本市の都市計画道路の整備率は40%弱にとどまり、多摩地域の都市計画道路の整備率が 60%程度まで進んでいることからも、歩車道が分離されている道路ネットワークの拡充は、まちづくりにとって重要なものとなっています。”

下図は、「東京における都市計画道路の整備方針(第四次事業化計画)」の第1章P10に記載がある。国分寺は22%、東村山は19%、東大和市は67%、国立は39%、小金井は45%、東久留米が57%。小平市は他市と比べて特別に道路事情は悪いだろうか。では、22%の国分寺は、市民は道路が悪く住みづらい、移動しづらくてどうしようもないのだろうか? 小平市より大きく劣るのだろうか? 50年以上前の計画に対する整備率にこだわるのはナンセンスだ。

多摩地区の整備率

都市計画道路の整備率について取り上げてみたが、学識経験者や市民からなる見直し検討委員会と行政の間にも大きな溝があることがわかる。しかし、見直し検討委員会の皆様にはぜひとも粘り強く、小平市に働きかけて頂きたい。

無作為アンケートの自由記述意見から既存道路整備の課題を考える

最後に、都市計画マスタープランを見直しするに当たっての、無作為抽出アンケート自由記述について分析する。自由記述255件の意見のうち58件が道路に関する意見であったが、そのうち「道路」そのものに関わる部分だけを抜粋した54件が何を課題としているか、以下のように分類した。54件と異なる意見はさらに細分化して1項目としている。また1項目が複数に該当することもあるので、総数は合わないが、どのように分類したかは、詳しくは無作為抽出アンケート結果の自由記述、道路部分について抜粋を見て頂きたい。無作為抽出という方法は、無作為であるが故に、市民参加したい一部の強い市民の意見に偏らないというメリットがあり、その意味で市民の普遍的な意見を表していると言えるので、改めて取り上げてみた。

  • 都市計画道路の新設に肯定的 8件
  • 青梅街道・五日市街道などの既存幹線道路、たかの街道などの生活道路の整備 22件
  • 歩道、自転車道の改善 26件
  • 幹線道路と西武線踏切を高架やアンダーパスなどで撤去 4件
  • 3・2・8号線に否定的で、雑木林を守ってもらいたい 9件
  • その他 8件

既存の幹線道路、生活道路とその歩道・自転車道に課題があることがわかる。この結果は、その1でも述べた無作為抽出アンケート結果の「市全体のまちづくりの満足度と重要度」の結果とも近い。既存の道路に十分な幅員がないことが根本にある。小平市が主催したH28年4月7日(木)午後1時から東部市民センサーで行われたまちづくりサロンに参加して、小平市の担当者の話を聞いた。「既存の道路や歩道、自転車道の整備には、労力もお金もかかる。(強制力のある)都市計画道路を整備する方がすすめやすい」という説明をしていた。

確かに都市計画道路は事業化すれば、任意による用地買収を行い、最終的には土地収用法が適用でき、整備を確実に進めることが出来る。しかし、自分が生活で移動するルートでない場所に都市計画道路が出来ても、歩行・自転車の場合は、遠回りになって解にならない場合もある。

既存の道路の整備は、何が難しいのか、例えば、府中街道のたかの街道から青梅街道までの間は、1994年ごろ民家や農家にセットバックの協力をしてもらい、拡幅、歩道整備がされた。東京都がどうやって行ったのかは不明であるが、やればできるのだ。小平市民等提案型まちづくり条例や地区計画で、自宅を建て替えるときに、1m~2m、セットバックしてもらうようなルールをつくることは考えられないだろうか。さらに小平市がセットバックに協力いただける沿道の住民から土地を高く購入する条例のようなものでサポートすれば、協力してくれる住民もいるのではないだろうか? 土地を供出してくれた住民には、小平市が表彰したり、モニュメントに名前を刻むとか、実現出来ないのだろうか? そんなにゆっくりやったら、いつまでもたっても完成しないと言われるかもしれないが、都市計画道路も計画決定から53年経過して、整備率40%と進んでいないことを考えれば、既存道路の整備も同じ事だ。

小平市には、硬直化した考え方でまちづくりを進めるのではなく、多摩地区の近隣他市のやり方も参考にしながら、まちづくりの中で発生している都市計画道路と自然環境や商店街が衝突しているという課題について、都市計画マスタープラン見直しの中で、市民と情報を共有し、解決方法を一緒に見つけるため協力を求め、少しでも自然環境、農地、住環境、商店街などをつぶさないまちづくりを目指してもらいたい。

(文責 神尾 直志)

小平市都市計画マスタープラン改定【中間まとめ】を読む(その2)、小川駅西口、小平駅北口再開発について

小平市では、現在、小平市都市計画マスタープランの改定を進めており、現在、中間まとめが公表されており、4月25日まで意見募集している。

前回はブログで、都市計画マスタープランの解説と、小平市のH27年度からの取り組みについて説明した。
今回の中間まとめの全体構想で、H19年度の都市計画マスタープランから比較して追加された点のうち、都市計画マスタープラン見直しの過程で、情報公開、意見集約が不足している点についてまとめる。以下が今回の都市計画マスタープラン見直し【中間まとめ】で新たに追加された点だ。

・小平市民等提案型まちづくり条例の活用の推進(P3)
H19年の改定の小平市都市計画マスタープランの際に、参加と協働のまちづくりのため、市民が地区まちづくり準備会や協議会をつくって、建築協定のような自主ルールである「地区まちづくりルール」を作ることが出来る条例であるが、活用事例が1件もない。利用を促進したいという趣旨
・風致地区の見直し(P20)
樹林地、水辺地などで構成された良好な自然的景観を維持するため、都市計画法により条例により規制をかけられるのが風致地区である。
風致地区の指定がH26年度から東京都から基礎自治体に移管されたことが背景にある。
・小川駅西口地区、小平駅北口の市街地再開発事業及び、土地の高度利用(P33)
・あかしあ道りグリーンロード基本計画(P38)
・都市計画道路の優先整備路線について、東京都の第四次事業化計画との整合(P45)
小平3・3・3号線、小平3・4・10号線、小平3・4・19号線と小平駅北口交通広場、小平3・4・12号線と小川駅西口交通広場

この中で、小川駅西口地区、小平駅北口の市街地再開発事業及び、土地の高度利用について、無作為抽出アンケート及び、見直し検討委員会での議論を見ていく。その1で、述べたとおり無作為抽出アンケートの駅周辺の商業地としての形成の要望がとくに高い(P39)、駅前広場の整備についても、要望がある(P40)。駅周辺の再開発については、市民の意向に沿った開発と言えるかも知れない。しかし、土地の高度利用については、無作為抽出アンケートでは取り上げていない。見直し検討委員会の第五回議事要録及び第六回議事要録で、両駅の市街地再開発事業については話題になっているが、詳細には触れておらず高度利用については議論はされていない。H19年改定のマスタープランでも土地の高度利用という言葉は何カ所かに出てくるが、小川駅西口、小平駅北口を高度利用するという記載はない。

いつのまにかに”高度化”になったかと言うと、この10年で計画が進んだことになる。小川駅西口再開発準備組合はH19年に、小平駅北口再開発準備組合はH27年9月に設立されている。市街地再開発組合とは、都市再開発法による再開発の一手法で作られる地権者による組合組織である。開発する地域の土地所有者及び借地権者のそれぞれ3分の2以上の同意を得て、しかも、同意者の所有面積が総権利面積の3分の2以上である場合に、知事の認可を受けて組合を設立し、施工者となることができる。つまり、法律上は2/3の土地の地権者が知事の認可で、裁量をもって施工できることになっており、この10年間で小平市も支援して取り組みを進めてきたのだ。

小川駅西口については、小川駅前周辺地区まちづくりビジョンをH25年につくっている。以下の資料の挿絵の抜粋。

小川駅前周辺地区まちづくりビジョンの法的な位置づけははっきりしないが、小平駅都市計画マスタープランの地域別構想を補完するものと記載がある。小平市の都市開発部 地域整備支援課の支援を受けて、小川駅前周辺の6つの自治会、4つの商店会、小川駅東口にあるブリジストン、小川駅西口地区市街地再開発準備組合の12の代表者で平成24年6月から平成25年3月に4回の懇談会をもって、まとめられたことがわかる。第4回の協議会によれば、周辺市民の地区内の1508件にアンケート配付して36件(回収率2.3%)の意見を集めたという報告があるが回答が少なく周知されているのか懸念される。小川駅前周辺地区まちづくりビジョンには以下のような将来像と方針が書かれている。
将来像
安心して心豊かに暮らせるまち
安全 快適 便利に動けるまち
小川の魅力と活気が感じられる賑わうまち

まちづくりの方針
便利な駅近くで様々な活動ができる「高度に集約したまち」をつくります
地区の中心となる「小川駅前の再整備」を目指します
生活道路の通過交通を解消する「新たな幹線道路」の整備を早期に進めます
まちで活動する人たちが「安全に東西を往来できる道路」を目指します
福祉のまちとして「誰もが安全に移動できる歩行空間づくり」を目指します
賑わいを周りの商店街につなげる「人の流れを生み出すみち」の整備に取り組みます

地元住民の代表や、地権者、商店街代表、近くに工場があるブリジストンまで入って協議した内容なので、一定の地元住民の意志が集約されたものなのだろう。「高度に集約したまち」には、超高層タワー型(100m級)を複合住宅のシンボルとするとしており、さらに、地区計画の導入し、用途地域を見直すことを検討していることがわかる。
検討に要した予算は、H25年度の小平市一般予算決算書付属書類によれば、まちづくりビジョン作成の費用はわずかであるが、都市計画資料業務委託費として、小川駅西口東京都補助金376万円と小平予算で348万円で、合計724万円の公費が使われている。H19年の都市計画マスタープランにはほとんど記載がないのに、小平駅都市計画マスタープランの地域別構想を補完としているということに疑問を感じる。パブリックコメントも行っているが、どれだけの市民が知っているだろうか?小平駅都市計画マスタープランの地域別構想を補完するなら、今回の見直しでもしっかり内容を公開して、見直し委員会でも議論を行い、正式に、小平駅都市計画マスタープランの地域別構想を補完するビジョンとして練り直すべきだ。

さて現在、小川駅西口は再開発されていない。その後の経過で小平市が公開している情報を追いかけてみると、小川駅西口地区市街地再開発準備組合からのお知らせというものがあり、H28年の1月に、「東日本大震災や東京オリンピックなどによる建築工事費高騰の影響を受け、平成 27 年度は事業計画案の見直しを行っているところです。 」という発表をしている。

これ以上に計画を説明している資料を探したところ、H26年9月22日の小平市議会のまちづくり特別検討委員会で、市議向けに説明があって議員向けに配付された資料があった。下記の資料は、委員会の中で配付された説明資料である。小平市のホームページでは公開されていない。委員会での小平市都市建設課の説明を抜粋する。

 

<開発エリアを地図におとした絵は、小平市都市計画マスタープラン地域別構想(案)から小川駅西口再開発を考えるに載せました>
・地下1階、地上30階、建物高さが107メートル、建築面積約4,000平方メートル、延べ床面積は約4万6,600平方メートル
・計画住戸数は約280戸
・収入は、補助金、都市計画道路部分の負担となる公共施設管理者負担金、さらには保留床処分金
・建設工事費が約155億4,000万円で、全体の83.2%。収入は保留床処分金が約118億1,000万円で、全体の63.2%
・補助金の内訳は、国費が約29億円、都費が約10億円、市費が約10億円、計49億円
・公共施設管理者負担金は都市計画道路小平3・4・12(富士見通りから小川駅まで)、国費が約10億円で、都費が約2億円、市費が約8億円
・公共施設として、小川西町地域センターなどを入れる事も検討している。
・小川駅については地権者39名中、32名が再開発準備組合に加入
・建設費155億円が、高騰したため事業が成立しなくなって、事業案を見直ししている。

収支計画の「保留床」というのが住宅部分で、118億円の収入を見越している。ここに280戸ということだと、1戸あたりの平均販売価格が4,214万円ということになるが、建設費が高騰したため、住宅販売価格を上げなくてはいけないが、無理があるため、事業計画を見直すということがわかる。

都市計画マスタープランに話しを戻すと、ここまで詳細な検討と、事業計画があるにも関わらず、都市計画マスタープラン見直し検討委員会でも、議事要録や配付資料を見る限り、小川駅まちづくりの再開発事業を行っているという程度の説明しかしていない。

商業施設、公共施設、プライベートな住居という空間がひとつの建物に収まると、今後の大規模修繕工事などメンテナンス費用と、その分担も心配だ。市費が余計に使われるような事態にならないだろうか?都市再開発法により組合施工で、地権者とともに計画をすすめていいるが、補助金にも市費約10億円、都市計画道路小平3・4・12部分で市費8億円を使うのだ。また駅の利用者は周辺の市民にまで拡がり、その利用者が利用する商業施設であり駅前広場だということを忘れてはいけない。107mの高層マンションとなれば、景観の問題もある。何故、107mの高層マンション案しかないのだろうか?駅前広場案のみの案や、公共施設と商業店舗の2階建て案など、複数案はつくれないのだろうか?投入する税金がそれぞれの案でどれくらいになるか、複数案で示して、市民から意見募集しやすくして、進めることは出来ないのだろうか?

建設費用が高騰して延期になったのだから、都市計画マスタープランの見直し過程の中でも説明されて、市民の駅周辺施設への要望をすいあげて計画に反映する努力をすべきだ。まちづくりカフェ第6号ニュースでも、「小川駅前再開発に関する検討が進んでいると聞いたが、どのようになるのか。個人的には大きなビルは必要ないと思っている。」という声があがっており、再開発事業への説明が足りないことを意味している。

小平駅北口再開発準備組合はH27年9月と準備組合設立は最近だ。小川駅西口同様、都市計画マスタープラン見直しの過程できちんと市民の意見をすいあげてすすめてもらいたい。小平駅北口から、新青梅街道につながり、東久留米市につながる都市計画道路の小平3・4・19号線についても一部の区間が、優先整備路線になった。小平市はH26年9月にアンケートを行っている。優先整備区間になった小平3・4・19上に住む地権者と沿道50m付近の市民312人への市民へのアンケートで、89名から回答を得ており、回収率は28.53%。この中で、P35の沿道の街並みについての回答があるが、回答者は、賑わいのある商業地、マンション、事務所などが建ち並ぶ街並みには否定的で、戸建てが並ぶ住宅地を希望していることがわかる。これは都市計画マスタープランでの無作為抽出アンケートでの駅周辺の商業地として形成のあり方の要望(P39)とは、逆になっている。近隣住民の希望と、駅の利用者全体の希望が異なると言うことを踏まえた土地利用のあり方を、都市計画マスタープランの地域別構想を検討する際に、丁寧に議論して留意して進めていただきたい。

その3では、開発計画と、保全すべき環境が衝突した場合についての、多摩地区の近隣市の都市計画マスタープランとの比較も行いながらブログにまとめたい。

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小平市都市計画マスタープラン【中間まとめ】を読む(その3) 都市計画道路と守るべき自然環境の衝突、近隣都市の取り組み

小平市都市計画マスタープラン地域別構想(案)から小川駅西口再開発を考える

(文責 神尾直志)

小平市都市計画マスタープラン改定【中間まとめ】を読む(その1)

小平市では、現在、小平市都市計画マスタープランの改定を進めており、現在、中間まとめが公表されており、4月25日まで意見募集している。

都市計画マスタープランとは、何か? ほとんどの人には馴染みがないものだろう。1992年の都市計画法の改正で、18条の2に「市町村の都市計画に関する基本的な方針」として位置づけられ、一般的には、市町村都市計画マスタープランと呼ばれている。市町村の上位計画である長期基本構想や、都道府県の都市計画区域の整備、開発及び保全の方針(都道府県マスタープラン)に即すものとされているが、国交省の都市計画運用指針(H28年4月改定)のP29によれば、住民に最も近い立場にある市町村が、その創意工夫の下に住民の意見を反映し、まちづくりの具体性ある将来ビジョンを確立する、と記載されており、市民参加が保障されている。対象期間としては、概ね10年先までとされ、10年毎に見直しが行われている。

都市計画運用指針(H28年4月改定)のP29によれば、以下の内容で構成される。

・まちづくりの理念や都市計画の目標
・全体構想(目指すべき都市像とその実現のための主要課題、課題に対応した整備方針等)
・地域別構想(あるべき市街地像等の地域像、実施されるべき施策)

小平市では、昨年平成27年度から見直しを進めており、現在全体構想の案がまとまったところで、4月25日まで意見募集して、本年度いっぱいで、全体構想と地域別構想をまとめる予定で見直しを進めている。

都市計画マスタープランは、小平市の立場で自由につくれるものではなく、出来る事に限界があることは事実だ。「東京都の開発計画だから、小平市には権限がないから出来ない」と、小平3・2・8号線の住民投票の際にも、市長はそのような態度だった。東京都の都市計画区域の整備、開発及び保全の方針(都道府県マスタープラン)に即してつくらなければいけないとされている。しかし、市町村によって都市計画マスタープランの質は大きく異なり、東京都の開発計画についてどこまで踏み込んで記載するか、市町村の姿勢があらわれる。小平市の場合は、残念ながら、都市計画マスタープランに記載した東京都の開発計画について市民が賛同したアリバイとして、活用している点が目立つ。

例えば、小平市3・3・8号線についての小林正則氏回答小平市3・3・3についての文書質問書及び回答書であるが、いずれも小平市都市計画マスタープランを引用している。多くの市民が開発計画に賛同しているかというとそうではなく、それ以前に計画があることを認識すらしていない人が多く、住民不在の開発計画に疑問を持った私たちの会の直接請求により、小平3・2・8号線については住民投票に至った。前回の平成19年度の都市計画マスタープランの改定の際に、市民の意見を計画にとりいれる努力をして、市民への周知を行えば、別の形になったかもしれない。それだけに都市計画マスタープランに市民の意見を反映することは重要だ。ブログを読んでくださった方は、是非、都市計画マスタープラン中間まとめに意見していただきい。

さて、今回の都市計画マスタープランの改定の進め方に話を戻したい。以下のように見直しがすすめられている。

都市マス_誰がどうやって見直ししているか

市民のニーズ、要望の抽出のため、2,000人の市民への無作為抽出アンケートの実施と、そのアンケート回答者によるワークショップや、まち歩きをおこない、市民が考える小平市の課題や、あるべき姿などの情報を抽出している。その結果を元に、小平市の都市計画課の事務局と学識経験者、まちづくりに関係する4つの団体の代表と公募市民4名からなる小平都市計画マスタープラン見直し委員会で、見直しの方向性を議論し、小平市都市計画課が原稿をつくり、見直し委員会及び小平市議会の都市計画マスタープラン全体構想特別委員会で市議の意見もフィードバックして、今回の小平都市計画マスタープラン改定中間まとめの公表に至っている。無作為抽出という方法は、参加したい市民が参加出来ないデメリットはあるが、無作為であるが故に、市民参加したい人の強い意見に偏らないという意味でメリットもあり、ひとつの考え方であり問題はないと思う。

市民アンケート結果は、内容が充実しており読むのが大変だ。市民の意向をまとめているP49、P50の図を下記に抜粋した。

49ページ-3

49ページの下

50ページ

(※画像はクリックすると拡大します)

この結果からわかることで、主にまちづくりに関係することをあげると、幹線道路の整備(No.6)については満足度、重要度も平均的であるが、自転車や歩行者の通行のための整備(No.8)に改善が必要と考える市民が多い。農地、雑木林、緑地の保全(No.14)や用水(No.15)の保全などは、満足度高く、引き続きの保全が求められている。改善項目としては、駅周辺の商業地として形成のあり方(No.2)は特に要望が強く、その他、駅前広場の整備(No.10)、道路や公共施設のバリアフリー化(No.11)、まちの死角や暗さなどの防犯への対応(No.13)、災害時の避難場所・避難経路の確保や建物の耐震化などの安全性(No.12)など改善を求める意見が多いことがわかる。

その他、自由記述のアンケートの回答が、P78から255名の431件の意見が記載されているが、431件も意見があったことに驚いた。その内容も、共感できるものから、こんな主張をする人もいるのだと思わせるものまで多様だ。多様な住民の意見をまちづくりに反映させることを目的に活動をしているが、このアンケートを読むと、意見の反映は簡単ではないことがわかる。いろんな市民がいるので、市の担当者の苦労がわかる。都合の良い意見を取り入れ、都合の悪い意見は黙殺することも出来るが、多様な市民の意見の反映に努力していただきたい。

なお、反映させる会で行った直接請求による小平3・2・8号線の住民投票についての記述も5件あった(P79、P85、P93に2件、P94)。4件が住民投票の結果が開票されていないこと、市民の声に耳を傾けないのはおかしいという指摘、1件は、3・2・8号線計画を見直して欲しいという趣旨のものがあった。これは、無作為抽出で選ばれた人だけが回答できるアンケートであり、私たちの会の市民が回答したものでないことを改めて説明しておく。

無作為抽出で選ばれた2000人の対象者の中から、希望者による市民懇談会(まちづくりカフェ)を8回行っている。市民であれば誰でも参加出来る形も考えられるが、小平市はアンケート回答者に限定して、参加者の意見が偏らないようにしており、これもひとつの考え方と言える。まちづくりカフェ8回の市民懇談会(まちづくりカフェ)の概要である。

  • 第一回 4グループに分かれ、無作為抽出市民アンケート項目について、重要度が高く、満足度が低いものについて、アンケート結果との違いなどについてのグループディスカッション。
  • 第二回 第一回で議論を深めたい項目についてワールドカフェ方式でディスカッション
  • 第三回 鉄道駅ごとのイメージについて、生活拠点を活性化するアイディア、まちのあり方、商店街の課題、大学とまちの関わり、緑のあり方、居場所作り、自治会の強化、公共交通などのテーマについて、各グループで異なる話題でディスカッション
  • 第四回 前半は小平市でどんな暮らしがしたいか? そのためには何が必要か?、後半は、小平市の7つの駅の拠点ごとのあり方についてグループディスカッション
  • 第五回 小平の魅力だと感じていること、小平の不便さを感じていること、小平の魅力を活かして、どんな暮らしがしたいか?についてディスカッション
  • 第六回 第七回のまちあるきの準備として、地図上で参加者が住んでいるエリアの気になるところ、改善点、こんなことはできないか?などディスカッション
  • 第七回 東西2グループに分けて現地見学のフィールドワークと振り返り
  • 第八回 西側は、新たな西のグリーンネットワーク~みどりでつながる人と人、東側は、あかしあ通りグリーンロード化プロジェクトというテーマで、アイディア出しや、自分が出来る事についてなどディスカッション

参加人数の記載はないが、写真が出ている回の様子を見ると20-30名程度。50代以上の方が多く、男性が多いように見える。参加市民が無作為抽出の市民だけに限定しているにしては、偏りがあるように見えるのは問題であるが、現実参加者を集めるのは難しいのだろう。

次回は、小平市都市計画マスタープラン中間まとめが、無作為抽出アンケートと、まちづくりカフェでの意見がベースになっているか、見直し検討委員会の意見が反映されているか?についてと、主要な開発計画と、保全すべき環境をふまえて、多摩地区の近隣市のマスタープランとの比較も行いながらブログにまとめたい。    

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小平市都市計画マスタープラン改定【中間まとめ】を読む(その2)

(文責 神尾直志)