小平市中央公民館サークルフェアに参加して、企画展示とワークショップを開催しました。
◆展示 2016年11月1日(火)~6日(日) ※3日(木)は休み
小平中央公民館1階ギャラリーにて
2013年に小平市で行われた住民投票は、投票率50%に達しなかったため開票されなかったけれど・・・・
成立して開票され、「都の道路計画を見直す」という意見が多かったとしたら・・・・、
道路計画をどのように見直すかについて市民同士の話し合いが行われたことでしょう。
それは、日本で都市計画に市民参加するはじめの一歩になったことでしょう。
都市計画へ市民の意見を反映させるにはどうしたらいいのでしょう。
小平3・2・8号線を例にして、市民参加を模擬体験する展示をしました。
具体的には、小平3・2・8号線について市民が意見を出す試みとして、
都の現行案と市民が考えた代替案いくつかを掲示して、
来訪者の方にどの案がいいと思うかシールを貼ってもらいました。
展示期間中ブースにきてくださった沢山の方達からいろいろなお話を伺うことができました。
各案の特徴・メリットとデメリット
A案 東京都の原案
南北交通がスムーズになる。玉川上水と雑木林、閑静な住宅地が失われる。
B案 地下案(代替案1)
東京都案と同じ経路。玉川上水と雑木林の緑を残せる。工事費維持費が高い。
C案 府中街道拡幅案(代替案2)―3・2・8号線の国分寺市との境、五日市街道への接続方法に2案あり
C-1案 府中街道の久右衛門橋から五日市街道まで新たな道路を作る案
C-2案 五日市街道まで現在の府中街道を利用する案
- 府中街道を広げて繋ぐので道路は一本で済む。玉川上水と雑木林の緑を残せる。
- 東京都案より少ないが新たな立ち退きが生じる。
D案 新設道路不要案
- 右折レーンの設置、クランクの解消など府中街道を段階的に改良していく。
- 五日市街道から青梅街道まで2車線なので、渋滞が生じる可能性がある。
シールを貼ってくださった方は93名でした。
(内訳:A案16名、B案6名、C-1案10名、C-2案5名、D案56名)
D案にシールを貼った方が一番多く、次いで、A案16名、C-1案10名、B案6名、C-2案5名の順でした。
参加された方の意見
- 青梅街道の府中街道とすでに完成している3・2・8号線の間を広くして、信号待ちの大型車すれ違える幅を確保すればクランクも十分車は流れる。新しく道路を作らなくても今のままで大丈夫では。
- 地下案がいい。住民同士の話し合いは大切と思う。
- タクシーやトラック、宅急便等日頃道路を使っているドライバーの意見を聞くといいアイデアが出るのでは。
- 住民投票に行った。D案がいいと思う。
- 玉川上水の環境に魅かれて小平に越して来た。シール貼りをして市民が意見を出すことで、道路計画が見直されるのか。
- 道路建設は決まったこと。早く道路ができたら便利になる。
- 公共の利益のために賛成すべき。道路課計画地の人は道路計画があるのを知って住んでいるんだろう。道路計画地には家を建てさせなければいいのでは。
- 府中街道が少しは渋滞しても使えているのだから、このくらいでよいと我慢することが大事。道路以外でももっと大変な我慢していることもあるのだから。まして貴重な環境をつぶしてまでやることではない。
- 府中街道を少しの区間活用するためだけに道路を曲げるC案は、活用する長さが短かすぎてどうかと思う。地下は技術的に難しいのではないか。
◆ワークショップ(体験会)2016年11月5日(土)13:00~15:30
小平中央公民館2階工芸室にて、参加者:8名
都の原案や代替案についてどれがいいと思うか、自分の考えを表明するシール貼りからさらに一歩進めて市民参加を模索したいと、自分が選んだ案について発表し、参加者同士で話し合い、意見交換をするワークショップを開催しました。
ワークシートに、都の案、代替案のよいと思う案に〇や△等をつけて、それをつけた理由やコメントを記入したあと、各自自分のワークシートに書いた内容を発表後、自由に話し合いました。
意見交換をすることによって、様々な角度からの意見を聞くことができ、それによって自分の視点や思考の幅が広がる感じがしました。市民同士が話し合うことは意義があると感じました。
<各案への意見 抜粋>
東京都の原案(A案)について
- 緑を破壊するのは、常識的な考え方とは思われない。
- (市民の多くが都の案に反対してるのなら)小平市は都の案に反対と意思表示すべき
- C案等、代替案を市として都に提案すべき。
- 道路ができて立ち退く人に対して、市も保障すべき。
- 立ち退いている人は、小平市内等近くに移る人が多い。
代替案1(地下案 B案)について
- 東西のアクセスを考えるとこの案は不可能
- 工事費や環境への影響を考えると難しいのではないか。
- 対案として実現可能なのは地下案ではないか。トンネルをなるべく長くすべき。
代替案2(府中街道拡幅案 C案)
C-1 府中街道の久右衛門橋から五日市街道まで新たな道路を作る案
- この案だと自宅が掛かってしまう。道路に掛かっていない残地が買い取られないのなら売りたくない。
- ルートとして、猫坂(都案の道路予定地)を使って府中街道につなげるのも一案だと思う。 猫坂は用地買収が進んでいる。
- 早く都市計画変更して、この地域に道路は府中街道1本にするのがいい。
- 道路を作らないと、国分寺部分からの4車線が小平でストップしてしまう。北に繋げるには、C-1が流れとしてスムーズだ。
C-2 五日市街道まで現在の府中街道を利用する案
- この案はとりあえずDを選択しておいて、道路が必要になった時次の手として使いやすい。
新設道路不要案(D)
- これから車も、人口も減るのに、新しい道路は不要
- 考え方として合理的・現実的。都・行政の考えは一般的に見ると常識的ではない。
- 府中街道と青梅街道のクランクは問題で、解消するべき。
- 府中街道は、西国分寺まで都市計画道路になっている。小平部分も都市計画道路にすべき。
- 住人、歩行者、自転車にとっては、まず府中街道を改良すべき。
- まずDでやってみて、ゆっくり改良しながら様子を見て、どうしても道路が必要であればC案を採用したらいい。
≪全体を通しての意見 抜粋≫
- 今頃代替案を出しても、すでにかなり土地が売られ更地になってきている。
- 現在の道路事業を中止した場合、都は買収をした土地を売ればいい。買収した土地をそのまま緑道や公園にすればいい。
- A案、B案の人がいなかったが、意見を聞きたい。
- 賛成している人は、車が便利になると単純に考えていて、立ち退く人の大変さを考えていない。
- 府中街道のクランクはどうにかすべきだからとA案を選ぶ人も多い。
★これからも、この企画『小平3・2・8号線を「住民参加で見直す」としたら?』を行っていく予定です。
具体的な開催日程は、決まり次第お知らせします。機会があれば、ぜひご参加ください。
(文責 馬場悦子)