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風土論の視点から見た小平都市計画道路問題

2014年7月6日、江戸川大学の社会学講師の吉永明宏さんが、大学生を連れて小平3・2・8号線現地を歩く会に参加下さり、感想を書いて頂きました。以下、吉永さんの感想文と写真です。(神尾直志)

 

「風土論の視点から見た小平都市計画道路問題」

江戸川大学社会学部講師 吉永明弘

最初に「小平3・2・8号線現地を歩く会」に参加したのは4月12日のことだった。小平を訪れたのはそのときが初めてで、駅から降りて、小さな落ち着いた街だと思った。立ち並ぶ店、公園と体育館、玉川上水など、とても文化的に見えた。そのときの見学で最も印象に残っているのは、静かな住宅地と「郊外」的な景観とのギャップが分かる地点に立ったときのことだ。ここに道路を通すことで、住宅街の景色が、よくある「郊外」の景色になってしまう可能性が高いという。國分功一郎氏の著書や出演番組などで、道路建設や住民投票のことは知っていたが、現地に来たことによって道路建設の問題性が見えてきた。

そこで7月6日に、今度は大学の学生たちをつれて再び「歩く会」に参加した。学生たちも熱心に解説を聞き、最後は各自の感想や意見を述べていた。私も若干感想を述べたが、言い足りない部分があったので以下に記しておく。

現在、地域環境の改変が一部の人たちの計画によって行われてしまっているが、地域環境の改変の影響を最も受けるのは、その地域で暮らしている人たちである。一番の当事者である住民が計画に関われるような仕組みが必要であろうし、そのような仕組みをつくるきっかけの一つとして実施された住民投票の結果が開示されないことは不条理だと思う。

風土論の研究者オギュスタン・ベルクは『風土としての地球』(筑摩書房)の中で、「環境整備の規範」として、1)風土の客観的な歴史生態学的傾向、2)風土に対してそこに根をおろす社会が抱いている感情、3)その同じ社会が風土に付与する意味、これらを無視するような整備は拒否されるべきである、と述べている。ということは、環境整備に関しては、地域社会の感情や意味づけを表明する機会を設けることが必須になるはずだ。「環境整備の際の住民参加の必要性」は、言葉にしてしまうともう何度聞いたかわからない陳腐な文言のように思えるが、実質的に顧慮されていない以上、繰り返し要求し続けなければならない。

また、道路が建設されることを見越して住宅が建てられていることや、次に予定されている道路建設計画がより問題をはらんでいるということを、今回の見学で初めて知った。マスコミ報道だけでは問題の細部が見えてこない。現地見学は細部を知るためのよい機会となった。